チェコ在住の劇人形作家、佐久間奏多氏の手のひらサイズの小さなマリオネット、アンジェリーチェック（天使ちゃん）とチェルティーチェック（悪魔ちゃん）が誕生したのは、2005年の秋でした。プラハにある彼の住まいで、２作品と出会った僕は、そのなんとも魅力的な造形センスと絶妙なサイズに思わず唸りました。

日本に持ち帰った２作品は、アッという間にお納め先が決まり、新作を心待ちにする方々の声に励まされ、手のひらサイズのNaDlani（ナドラニ）シリーズ・マリオネットとして、作り続けられることになります。昨夏からは、チェコの伝統的なスタイルである鉄芯付のマリオネットをイメージしたDratci（ドラートツィ）シリーズが加わり、作品世界はさらなる広がりを見せ、次々と新作が生まれてきました。そして、この３月には、なんと、記念すべき100点目のマリオネットが誕生しそうなのです。

そこで、佐久間氏の久しぶりの帰国に合わせて、これまで彼の作品を支持してっくださった、たくさんのお客様への感謝の気持ちを込めて、マリオネット制作100作品記念の展覧会を開催することにしました。さすがに過去の作品すべてを展示するわけにはいきませんが、お客様からお借りする作品に今回の展覧会のための新作を合わせて、40点以上のマリオネット作品をご覧いただけるようにしたいと思います。ご購入いただける作品も10点以上はございます。

会期の短いプチ展覧会ではありますが、小さなマリオネットたちの魅力を存分にお楽しみいただけましたら幸いです。