Puppet House ロゴマーク presents 2018

 

Petr Matásek 追悼展

――人形劇の革命児が遺したものと受け継ぐ者――

 
DM写真
 

終了しました。

たくさんのご来場、ありがとうございました。

 

※画像をクリックすると作家別に出展作品をご覧いただけます。

作品写真 作品写真 作品写真

ペトル・マターセク

林由未

佐久間奏多

 

9/21(金)- 9/27(木)

※会期中無休

11:00 AM ~ 7:00 PM

パペットハウスギャラリー

 
会場写真

会場の写真です。

 

 
 

「Petr Matásek追悼展 ー人形劇の革命児が遺したものと受け継ぐ者ー」によせて。

 

「運命」という言葉で、全てを片付けてしまう考え方は好きではないのですが、マターセク氏との出会いは私たちの「運命」を変える出会いでした。

 

教授と生徒という関係を越え、私たちが今まで歩んできた道や考え方、それぞれが抱いていた哲学を、全く別の方向や別の視点へと導く大きな分岐点を作ってくれた人。そして、一生尊敬してやまない存在であり、ゼロから演劇の世界のいろはを教えて頂いた師であり、DAMU(チェコ国立芸術アカデミー人形劇学部)の教授でもあった人。

 

私たちの師は、世界中の舞台美術家から賞賛を集め、チェコの人形劇黄金時代の立役者でした。

 

ですが、残念ながら舞台美術家ペトル・マターセク氏は、昨年7月25日、病により永眠されました。

 

マターセク氏は、生前、東京のシアターΧ(カイ)や長野県飯田市でワークショップを行うなど、日本との関係が深く、日本文化をこよなく愛していました。晩年のマターセク氏の日本への想いは大きく、また新たなワークショップの企画を進めていたのですが、叶わなかったことが悔やまれます。

 

師が亡くなって1年。師が遺したもの、師から受け継いだもの、私たちの小さな手では溢れてしまうほど大きなものを、どのような形で、どのような1歩から初めていいのか、不安な気持ちで一杯になります。

 

でも、そんな時、いつも天から師の声が聞こえるような気がします。

「Udělej!!!(やってみろ!!!!)」と。

 

マターセク氏が舞台のためにデザインした人形を、みなさんにも直にご覧いただきたいと願って、この小さな展覧会を企画しました。この展覧会のために、マターセク氏のご親族の多大なる協力があったこと、また、氏と生前から深い関わりのあるパペットハウスさんで本展覧会を開催できることを嬉しく思います。師から多くを学んだ私たちの作品も一緒に展示させていただきます。

 

多くの方に足をお運びいただけましたら幸いです。

 

                                                                             林由未 / 佐久間奏多

 
 

    ※出展作品はご購入いただけます。 ※林由未は、今回の展覧会に合わせて来日する予定です。

 
ペトル・マターセク出展作品写真

ペトル・マターセク

佐久間奏多出展作品写真

佐久間 奏多

林由未出展作品写真

林 由未

 

出展作家プロフィール

Petr Matásek / ペトル・マターセク (チェコ共和国)

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1944 年プラハ生まれ。2017年逝去。

1966年、チェコ国立芸術アカデミー人形劇学部舞台美術科卒業。1968年-1974 年、アルファ人形劇場(ピルゼン)の舞台美術主任、1975年-2000年、劇団ドラック(フラデッツ・クラーロベー)の舞台美術主任。1990 年より、チェコ国立芸術アカデミー人形劇学部(DAMU)舞台美術学科教授。

 

2000 年にフリーの舞台美術家になってからは、国民劇場をはじめ、チェコ内外多くの劇場で活動し、生涯で160 作品を越える、人形劇、演劇、オペラ等の舞台美術を作り上げてきた。

 

また、DAMU にて教鞭をとる傍ら、アメリカ、カナダ、イギリス、ポーランド、オーストラリア、日本、韓国をはじめ世界中でワークショップを繰り広げ、後進の育成にも励む。

 

第2回プラハ国際玩具フェア“子どもの夢1995”木工玩具部門での最優秀賞受賞など、国際クラフトフェアなどでの受賞多数。チェコ共和国文化庁より国民賞、4 年に1回開催される世界で最も大きな舞台美術家の祭典プラハ・カドリエンナーレの最高賞である「金の虎賞」(1999年)、チェコ演劇界の最高の名誉である「Alfréd Radok 賞」(2000年)を受賞するなど、生涯を通して獲得した賞は数え切れない。

 

佐久間 奏多 / Sota Sakuma (日本)

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1977年愛知県生まれ。

2000年、東京造形大学卒業(染織デザイン専攻)。在学中にチェコの劇人形に出会い、衝撃を受ける。1999年、ペトル・マターセク氏らによる長期ワークショップ「人形演劇プロジェクト2000」(於:シアターカイ)に参加。

 

2000年秋、渡チェコ。2002年、チェコ国立芸術アカデミー人形劇学部舞台美術科大学院に入学。ペトル・マターセク教授に師事する。2005年、同大学院を首席卒業。手のひらサイズのNaDlani(ナドラニ)マリオネットの制作を開始。2009年3月、パペットハウスギャラリーにて初個展。その後、チェコ、日本でのグループ展にも多数参加。

 

今までに制作したNaDlaniシリーズのマリオネットは、500点を超え、日本国内に留まらず、世界中にファンがいる。プラハ在住。

 

近年では、チェコ・日本にとどまらずベルギーでも個展を開催。演出家Hana Strejčkováによる、マルチメディアパフォーマンスのための人形も制作している。

 

林 由未 / Yumi Hayashi (日本)

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1979年横浜生まれ。

2002年、東京造形大学視覚伝達専攻科を卒業。2004年、東京藝術大学大学院デザイン科修了。2007年、チェコ国立芸術アカデミー人形劇学部舞台美術科大学院に入学、ペトル・マターセク教授に師事。2008年、ポーラ美術振興財団在外研修助成を受ける。2010年、同大学院を首席で卒業。その際、「独自の視点による中央ヨーロッパと日本文化双方の総合的な融合・発展に基づく人形劇の創造・発展への功績」として学長賞を受賞。2012年、文化庁の芸術家在外研修員として、劇団ドラックをはじめとするチェコの演劇現場にて研修。プラハ在住。

 

近年の主な活動は、「Mysterious Lake」(アメリカ)、「長靴下のピッピ」(ポーランド)など、チェコ、日本に留まらず世界の劇場に活躍の場を広げている。また、昨年は、福音館書店より『つくってあそぼう あやつりにんぎょう』(かがくのとも10月号)を出版。NHK・BS『世界に花さけ!なでしこたち』など、複数のドキュメント番組などにも取り上げられる。