Art Marionettes from Europe

ヨーロッパの劇人形作家展2004 出展作家紹介

Michaela Bartonova & Antonin Muller
ミシャエラ・バルトニョバー アントニーン・ミュレル

Singer
人形デザイン、衣装、彩色を担当するMichaela Bartonova(1955年生まれ)。
彫りと人形の構造を担当するAntonin Muller(1953年生まれ)。
ともに、現代のチェコを代表する劇人形作家。
89年に独立して以降、二人のコンビが生み出す劇人形作品は、
その卓越した造形力、彫りと布使いの絶妙なバランス感覚によって、
つねに高い評価を獲得してきた。
自らが主催する"TINEOLA THEATER"のほか、ベルギーの "THEATER TAPTOE"、
ドイツの"THEATER KOBALT"、"SALZ UND PFEFFER"など、
国外の劇団のための人形美術制作も多い。
ドイツ、スウェーデン、デンマーク、イギリスなど、ヨーロッパ各国での公演、個展、
ワークショップ活動も精力的に行っている。
2003年、北九州市門司港のアミューズメントミュージアム”海峡ドラマシップ”のために、
川本喜八郎氏や友永詔三氏など
著名な日本人人形作家8名と並んで常設展示の作品を制作。

Jiri Bares イジー・バレシュ

BORIS
1965年生まれ。 
現代人形劇界の最高峰と評される劇団"DRAK (ドラック・チェコ共和国)"美術工房主任。
教会彫刻の修復、製作などを専門に学んだのち、
子どもの頃からの憧れであったドラックの美術監督ペトル・マターセクのもとを訪ねた。
世界的に著名な演出監督ヨセフ・クロフタとペトルが組んで生み出した90年代の傑作の
数々に登場する人形たちは、バレシュの手によって現実のものとなったのである。
人形の生きざまをさえ感じさせてしまう、その鮮明で奥深いキャラクター描写とともに、
ノミ跡を残す独特のタッチの木肌が感じさせる迫力や力強さは、
まさに動く彫刻として見るものを圧倒する。
2003年、東京国立近代美術館を皮切りに開催された全国巡回展
「今日の人形芸術-想念の造形-」 に、内外の著名人形作家の作品とともに、
バレシュの作品3点が展示され、話題を呼ぶ。
Jochen Grundmann
ヨッヘン・グルンドマン

ピエロ
1939年、ドイツ北東部のPlauen(旧東ドイツ)に生まれる。
Dresdenおよび Frankfurtの美術学校で彫刻を学ぶ。
1970〜72年、アルブレヒト・ローゼル(ドイツを代表するマリオネティスト)とともに、
西ドイツ放送局(WDR)で放映された"Robbi, Tobbi und das Fliewatuut"のための
人形制作および操演を担当。
その他、グリム兄弟が育った街として有名なSteinauの
マガズッペ・マリオネット劇場をはじめ、
スイスのチューリッヒ人形劇場、ドルナッハ・マリオネット劇団など、
数々の劇団から人形・舞台美術制作の依頼を受ける。
ドイツを代表するマリオネット作家のひとりであると同時に、長年にわたり、
南ドイツのシュタイナー学校にて美術教師、絵画セラピストを務める。
衣裳は、Jochen氏のパートナーであり、
シュタイナーの動きの芸術オイリュトミーの実践者として知られる、
Harumi Suzuki Grundmannさんの手による。

Pendel

ペンデル

Bip
Marlene Gmelin と Detlef Schmelzのユニット。
Marburg大学で教育学を学んだ二人は、1974年、ドイツ・マリオネット界の重鎮
Fritz Herbert Brossに出会い、マリオネットの世界に魅せられる。
Brossが1976年に他界した後、氏が芸術監督を務めていた
Gerhards Marionettenにおいて、Ingmar Kaeserのもとで
マリオネット制作と操演を本格的に学び、数多くの舞台作品を手がける。
1990年、 独立。
「振り子」を意味するPendelの名のもとにマリオネット制作のスタジオを旗揚げし、
91年からはパントマイム的な小品集を中心に
マリオネットによる上演活動も行っている。
ドイツ人らしいクラフトマンシップと造形美学に支えられたPendelのマリオネットは、
動きへの強いこだわりをあわせ持つことで、手にした瞬間に人々を虜にする。